今日はある方から『ステアルトリモニウムクロリド』と『ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン』ってどんな成分ですか？と言うご質問を頂きました。

最近はネットでも画像のように簡単に調べられます。
また様々な情報を書いている美容師さんも多くなりました。

そのため最近私は成分解説などは控えております。

私の拘る製品は成分由来が自然原料である事ですが、それは生分解性に1番拘っているためであり、そして最も安全だと思うからなんですよ。

では簡単ですが、ご質問の成分について私なりの解説をさせて頂きます。

少し長くなりますので興味のない方はスルーして下さいませ🙇‍♂️

ステアルトリモニウムクロリドは、第四級アンモニウム塩のモノアルキル型に分類される陽イオン性界面活性剤（カチオン性界面活性剤）で、ヘアケア製品では髪の柔軟性や帯電防止効果を高める成分で、コンディショナーやトリートメントに配合されます。

ただし強いタンパク変性作用があるため、この成分は皮膚への刺激が強く、頭皮(肌)につけるのは危険とされています。

また髪のダメージ部分に吸着して質感を向上させますが、補修効果はほとんどありません。

髪への効果としては柔軟性と帯電防止のためでイオン的に吸着しやすいのが特徴ですが、その反面、生分解性が悪いので、しっかり洗い流しても落ちにくく残留が強いので、使い続けるとビルドアップするため、毛髪の乾燥や肌荒れにも注意が必要です。

ただし、手触りの向上や静電気や絡まりを防ぎ、髪をまとめやすくするため、使用感だけを見るとツルツルするので良いと感じられるでしょう。

使用する際は、髪の毛先を中心に塗り、頭皮にはつけないように注意しましょう。
もちろん身体にも付けないように(難しいですが)

ジフェニルシロキシフェニルトリメチコンは、シリコーンオイルの一種で、ツヤや撥水性を与えるために広く使われています。

この成分も肌への密着性が高く、伸びが良く、なめらかな感触と髪や肌にツヤのある保護膜を形成します(もちろん石油由来の成分です)

エモリエント効果も高く肌を潤わせたような効果を感じますが油溶性の成分故に水分コントロールは難しく、成分そのもの性質で保湿しているかのように感じさせます(水分を逃がさないけど、水分も入れない)

安全性に関してはシリコン(シリコーン油)なので、無刺激、無感作性で毒性がないため、安全性の高い成分だと思いますがビルドアップは避けられません。

この成分をはじめ、◯◯◯◯チコンなどカタカナの最後がチコンと付くものは全てシリコン(石油由来)なので、この成分が入っていたら『髪に栄養』『アミノ酸』などの水溶性の成分を配合していても、実際には浸透せず、ただ配合しているだけとなり、その製品のほとんどの感触はカチオンとシリコンのものと思われます。

最近ではノンシリコンに続き、ノンカチオンがブームにもなりましたが、それでもいまだに『第四級アンモニウム塩』などの成分が配合されている製品は多く存在しています。

その理由は製品の作りやすさ(相容性)と圧倒的にコストが安いのが実情ですかね。

つまりメーカーの都合のためであって、消費者のためにはあまりならないと思います。

原材料もどんどん進化していますが、それでも石油由来の合成成分では本当の補修は難しいと考えられます。

トステアがデビューした時に製造メーカーさんに資料請求をしたら『セーヌには使わないでしょう？』と言われたので『何で？』と聞いたら『合成ですよ』と一言で終わり(業界で言う合成とは石油由来成分の事です)

製造メーカーさんも私の開発コンセプトを良く理解して下さっているので、その手の原材料は紹介すらしなくなりました👌

ただ、知っておきたい事があるので、一般には流出しない原材料の製造元の詳細な資料はリクエストすると必ず届けて下さいます🙇‍♂️

※全てのカチオンが悪い訳ではなく、今ではカチオンも「第3級アミン」系のものが主流になりつつあります。
それは刺激がマイルドで、毛髪にコンディショニング効果（櫛通り性の向上や柔軟性）を与えるため、敏感肌用のヘアトリートメントなどの製品に利用されます。

第4級アンモニウム塩に比べて吸着力や乳化力は劣えますが、刺激性の低さや生分解性の高さから肌への負担が少ないのが最大の特徴です。

こんな感じの解説です。

ヘアケア商品を含め、化粧品には好みがあるので、何を基準に選ばれるかは個人差がありますが、毎日のように使う化学薬品の集合体だけに安全性の高さが最も重要だと私は思っております。

そこに付加価値を感じて頂ける方々のために、これからも商品開発に精進してまいります🙇‍♂️